コラ!玄太

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五輪選手の置かれる立場

 緊急事態宣言下の東京では自粛疲れなどにより宣言の効果が弱くなり、連休では東京から北海道や静岡など首都圏以外への旅行者が多くいた様だ。街を見ても人通りはかなり有り、閑散としている感じは全くない。今や『気晴らしに外出』と言う事に何の抵抗もない人が殆どだろう。

 そんな中、厳しく隔離されている人達がいる。五輪出場の選手達だ。世界最高レベルのパフォーマンスをするために精神を集中させなければならないのに、自由に外の空気を吸う事さえ出来ない(記事下部のリンク記事)。選手村の外で緊急事態宣言を無視して日本人が自由に行き来しているこの状況を、選手達はどう感じているのだろうか?

 彼等は事前にプレイブックでルールを知らされていたはずではあるが、そのルールは開催直前まで次々と変更が加えられ、ルールを破れば最悪の場合、出場停止になってしまう。
 何としてでも五輪を開催したい政府やオリンピック委員会は、五輪によって新型コロナが拡散することの無いように彼等へのルールを定めている。こうして、普通に生活していても疲れてしまう自粛生活より厳しい状態を、出場直前の選手に強要しているのが東京五輪2020だ。

 このことから、純粋に人間の可能性の限界に挑もうとする選手達を、政治家やオリンピック委員会が金儲けのために利用している構造が見えて来る。菅首相が金メダルを獲得した選手に直電していたが、あれは体裁を守るためと罪滅ぼしの二つの意味があるのだろう。

 以前から五輪反対派の人達には『選手には頑張って欲しいが、五輪開催には反対』と言う、一見矛盾したような発言が多かった。これはこの選手達の純粋な気持ちと、それを営利目的で利用する運営側の相反する姿勢から来るものなのだと思う。

 こんな五輪って必要だろうか?選手は秀でた能力を持つ人間であり、操り人形ではない。意気込んでいる選手には申し訳ないが、人権を奪うようなイベントは即刻中止するべきだ。そしてその姿勢が分かったからには、五輪自体を廃止にするべきだ。

 そして効果が無くなった緊急事態宣言と、なかなか捗らないワクチン接種に代わる、新型コロナ対策の強烈な最後の切り札として『五輪開催の途中停止/中止』を打ち出してみてはどうだろうか?それこそ本当の政治利用ってヤツだと思う。

www.afpbb.com

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