岸田首相への爆発物襲撃から数日が経った。まだ犯行の動機は分かっていないようだが、岸田首相は『民主主義の根幹である選挙に暴力を使うことは絶対に許されない』とコメントし、新聞でも『暴力は健全な民主主義を歪める』と言う記事が出ている。これらのコメントは尤もだし確かに暴力は許されないのだが、この人達はまだ実態が見えていないのか？と呆れてしまう。
海外の都市をある程度知っている人なら分かると思うが、日本は飛び抜けて安全な国だ。正に平和ボケしていると言っても良いレベルなのだが、その日本で何故政治家に対して暴力的な手段が使われたのか？
その犯行が裏金等が絡む暴力団によるものなら話は単純明快なのだが、前回の安倍元首相襲撃も今回の岸田首相襲撃も一般人の若者の単独犯であり、暴行事件の常習犯で凶暴な性格だったと言う訳でもない。それが何故首相の命を狙うような事をしたのか？
安倍元首相襲撃事件の時も書いたが、安倍元首相以来、首相の答弁で物事をうやむやにして責任を逃れたり強行採決したりする姿勢が目立っている。国民の知りたい部分をうやむやにし、自分のやりたいように国を動かしてしまう。
それで損をする人達は、納得出来る説明がないまま国の方針に従うしかない。説明を求めてもうやむやにされ、選挙で変えようにも多勢に無勢な上に選挙制度まで変えられてしまう。裏取引するほど金も権力もない。じゃあ残る手段は…暴力ってことになる。
最初にも言ったが暴力は許されない。ただ国民の方を見ていない政治家が暴力を呼び起こしているのは間違いない。岸田首相は『主役である国民の皆さんと共に、この選挙をやり通したい』と言っているが、襲撃犯も国民の一人だと言うことを忘れていると思う。襲撃犯も詐欺グループの犯人も、金持ちも貧乏人も、政治家も一般人も皆、この日本の国民だ。
国の何処に痛みがあり、何処に無駄があるのか、いい加減真剣に考えて政治を行わないと、この先この手の事件はどんどん増えて行くように思う。
