コラ!玄太

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優れた投資家と優れた人物

 イーロン・マスク氏が、買収したツイッターで大規模なリストラをした。その大胆さを称賛する声と、金儲けしか頭にない冷酷さを批判する声が出ている。
 僕はツイッター買収の話が出た時から『そんなに(彼の言う)公平なSNSが必要と思うなら、なぜ自分で立ち上げない?』と疑問に思っていた。まぁ1から創るのは面倒だから、名前の通っている出来合いの物を買って自分好みに変えるってのが投資家の発想なのかも知れない。僕に言わせれば、これって単なる手抜きなんだけどねぇ(笑)。

ツイッター買収のマスク氏 全従業員の半数を解雇 対象社員にメールで通知(2022年11月5日) - YouTube

 確かにテスラ社の成功で分かるように彼は優れた投資をし、莫大な財産を築いた。そして今日の世界では莫大な財産を築いた人物は優れた人として見られ、その人の意見を尊重する傾向が強い。でもこれは大きな間違いだ。投資には社会情勢や先見の目が必要ではあるが、その能力がある事と人として優れている事とは全く別物だ。

 このツイッター買収の話を聞く度、僕はある事故を思い出す。北海道・知床半島での観光船『KAZⅠ』の沈没事故だ。
 元々は安全第一だったKAZⅠの運営会社は、事故の数年前に地元で経営の腕利きとされていた人へと社長が代わり、大きな方針転換があったらしい。新社長はほとんど事務所に来ず、来ても宣伝の話ばかり。そしてベテラン船長等をリストラして航海経験の浅い人を迎え入れた。その結果、無理な条件下で強行出航して、多くの命が奪われてしまった。

「桂田社長はほとんど来ない」「口癖はやっとくー」元事務員が明かす「知床遊覧船」の実態 | 文春オンライン

 金儲けばかりを考える運営者、経験の浅い者が仕切る現場。この組み合わせは時として何の落ち度もない人の命を奪ってしまう程の惨事に至ってしまう。金儲けしか見えていないイーロン・マスク氏、社員の半数がリストラされてしまった現場…そこから何が起こるだろう?

 先行が不明瞭で不安もあるとして幾つかの企業はツイッター社への広告を停止したため、ツイッター社は大きな減収となるようだ。
 僕はツイッターに興味はないが、ツイッター社が衰退し、リストラされた社員達が別のSNSを立ち上げて成功することを願う。