コラ!玄太

コラも弾くシンガーソングライター、玄太のサイト

アフリカの柔軟な適応性

 久し振りにアフリカの話題である。元々はコラと言う楽器をテーマに始めたブログなので『コラ!玄太』のブログ名にしたのだが、人前でコラを弾く機会が減ったこともあり、すっかりアフリカねたから遠ざかってしまっていた。でも決してアフリカへの関心が薄れた訳ではない。


 アフリカの黒人は、自分の文化を保ちながら別の文化を取り入れる事に抜きん出た才能を持っている。
 アフリカ本土ではヨーロッパの侵略で国境が引かれて強引に分断された部族が、夫々独自のスタイルに言語や音楽のリズムを発展させて来た。一方、奴隷として連れて行かれたアメリカでは、アフリカで音楽の軸となる太鼓を禁じられればギターでブルーズを生み出し、管楽器が安く手に入ればヨーロッパの音楽の要素を取り込んでジャズを生み出したりして来た。その能力は今も健在のようで、リンクの記事を読んで何か嬉しくなってしまった。

 僕が持っているコラと言う西アフリカの伝統楽器、以前これはグリオと呼ばれる家系の人しか触れない楽器だった。現在では僕の様な一般人が買う事も出来るが、西アフリカでは神聖なものとしての価値がある。それがカトリック修道院で使われていると言うのだ。

 コラは話を歌にして人々に聴かせる時の伴奏楽器だ。西アフリカの人々は昔からそれを身近に聴いて育って来たから、修道院でも同じスタイルで音楽にすれば伝わり易い。単に珍しい事をやれば注目されるとか、受けが良いからとかの単純な発想ではない。シッカリとした意味のある試みなのだと思う。
 かつてアメリカの黒人教会でゴスペルが生まれたが、西アフリカの教会でも新たな音楽が生まれているのかも知れない。


 コロナ禍により、これまでとは違ってしまった社会。例えコロナが収束しても、元通りに戻すことが出来ない部分も多々あるだろう。今現在もこれからも、置かれた状況に合わせて柔軟に適応する姿勢と能力が必要だと思う。

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