コラ!玄太

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類は友を呼ぶ、悪い事ではないが…

僕の大好きなアーティスト、ブルース・スプリングスティーンの新譜が出た。まぁそれは個人的な楽しみなのでどうでも良いのだが、新譜に合わせたインタビューでこんな発言をしている。

『俺は過去3〜4年の間、白人至上主義や白人の優遇を主張しているのは
一部の過激派の人間だと思っていた。
でも今、それはこの国の大動脈にまで入り込んでしまっているんだ。
その事実に衝撃を受けたし、今まで気づかずにいた自分を愚かだと思った。』

スプリングスティーンは反人種差別主義で、立場や歴史を踏まえた広く冷静な視点から差別をテーマにした曲やアルバムも作ったりして来た。白人警官が丸腰の黒人に発砲しまくって殺した事件を扱った曲もある。その人が白人至上主義者の数を大幅に見誤っていた…一体、どう言うことなのだろう?

言えているのは、先ず白人至上主義者数の統計など存在しないであろうと言うこと、そして類は友を呼ぶって言うことだ。思想の統計があれば疑う必要はないが、統計が無ければ自分の知っている範囲で推測するしかない。スプリングスティーンの場合、反人種差別主義でメッセージ性の強い歌を歌っているから、自ずと同じような思想の人が集まって来る。そして白人至上主義は、トランプ大統領の差別的発言が後ろ盾になるまで明るみに出ない存在だったはずだ。反人種差別主義者の多い取り巻きと、普段は見え難い主義主張によって、スプリングスティーンの目には白人至上主義者がさほど多くない様に映っていたのだろう。それがトランプ大統領の発言によって、予想外に多い人数が目に見えるようになったと言う訳だ。

ここで、類は友を呼ぶって言うことが恐ろしいことでもあると思った。独りで意見を言うより賛同者がいた方が心強いのは誰でも分かるだろう。それが群集となった時、集団心理ってヤツが生まれて度を越した行動に成りやすい。トランプ大統領が白人至上主義者を擁護した時、彼らは互いの存在に気付いて集団心理が生まれ、表舞台に飛び出して来た。そして州知事の殺害計画を実行しようとするまでになってしまった。

他に、誰でも情報や意見を書き込めるインターネット、ここも集団心理が働く場所ではないかと思う。同じ主義主張の人が同じ場所に集まることが多く、極端な主張のサイトには極端な書き込みが多く見られる。ひとつの極端な書き込みから集団心理が生まれて酷い誹謗中傷に発展することもあるだろう。そう言えばIS(イスラム国)もインターネットを多用して、そこからの影響で事件を起こす人も随分と居た。

物事の判断は誰でも、知っている現実や多々ある情報を見て自分でする。でもその時、そこは類が友を呼んだ場所ではないか、そこに集団心理はないか、何かに盲目になっていないか、もう一度考えてみる必要があるように思う。そして自分の感情は抑えて、正しい物は正しい、間違っている物は間違っていると認める勇気を持てる強い心を持ちたいものだ。

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